帯状疱疹ワクチン(シングリックス)について
投稿日:2023年9月11日
カテゴリ:院長ブログ
こんにちは。院長の谷川(総合内科専門医)です。
「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」は、こどもの頃に皮膚のみずぶくれなどで発症する、「水痘(すいとう)=“みずぼうそう”」と同じウイルスにより発症します。
発症機序についてですが、子供のときに水痘・帯状疱疹ウイルスに感染すると、皮膚から背中のほうにある神経の根元に潜伏します。加齢や免疫低下に伴い、ウイルスが再活性化し、中高年になってから帯状疱疹を発症します。
帯状疱疹は、神経分布沿って帯状の発疹を認め、神経障害性の“ビリビリ、ジンジンする”痛みがでます。治療が遅れると痛みの後遺症(=帯状疱疹後神経痛)が長期にわたって続いてしまいます。
また帯状疱疹が顔や前頭部にできると、髄膜炎といって脳の周囲に炎症を起こしたり(=帯状疱疹ウイルス髄膜炎)、また眼周囲にできると、視力障害を起こすこともあります(=眼部帯状疱疹)。
したがって帯状疱疹の予防のためのワクチン接種はとても大切と考えます。
従来、帯状疱疹ワクチンとしては、生ワクチンである水痘ワクチンが用いられてきましたが、その予防効果は約50%と高いものではありませんでした。
しかし、2018年に遺伝子組み換えワクチンである『シングリックス』が厚生労働省から認可されました。
『シングリックス』は、従来の水痘ワクチンに比して効果が非常に高く、約91~97%の予防効果が10年以上持続すると言われています。
したがって当院では予防効果の高い『シングリックス』を推奨しております。接種は2ヵ月の間をあけて2回接種となります。
接種は18歳から適応となりますが、
50歳以上の方には調布市から助成金があるため、自己負担が軽減されます。
1回目 接種費用2万円-助成金1万円=自己負担1万円
2回目 接種費用2万円-助成金1万円=自己負担1万円
→合計の自己負担 2万円
となります。帯状疱疹の予防はとても大切であると考え、他の医療機関に比べて、1回あたり2,000円ほどお安くさせていただいております。
帯状疱疹予防でお役立ていただければと思いますので、当院での接種をご検討ください。
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